産業用PCと組込み向けCPUボードの「カスタマイゼーション」
突然ですが、みなさんは車やバイクなどの運転は好きですか?
私は両方とも好きなのですが、よく一人でバイクでのロングツーリングに行ったりして、仕事で疲れた心のリフレッシュをしています。特に大型バイクはよく「趣味の乗り物」と言われますように、そのままの吊るしの状態で乗っている方は少ない印象ですよね。私もスライドガードを付けたり、レバーを変更したり、ちょっとしたカスタマイズを楽しんでいます。日常会話では「カスタムした」とかついつい言ってしまいますが、正確な用語の使い方としては「カスタマイゼーションした」になりますよね。
「カスタム」と「マスカスタマイゼーション」の違い
カスタムとカスタマイゼーションは、製品やサービスをお客様の要求に合わせてカスタマイズすることを指しますが、案外大きな違いがあります。
カスタムは、個々のお客様に対して製品やサービスを一つずつゼロから作ることを指します。お客様の要求に合わせて、製品やサービスを一つずつカスタマイズするため、非常に高いレベルの個別化が可能です。ただし、カスタムは一つずつ個別で作るため、コストや納期がかかってしまう場合があります。
一方、カスタマイゼーションは、製品やサービスをある程度の標準化された形で提供しながら、お客様の要求に合わせてカスタマイズすることを指します。製品やサービスの一部をカスタマイズすることで、お客様のニーズに応えることができます。カスタマイゼーションは、カスタムに比べてコストや納期の面で効率的ですが、個々のお客様の要求に完全に合致することは難しい場合があります。
つまり、カスタムは完全な個別化を追求する手法であり、カスタマイゼーションはある程度の標準化を保ちながらカスタマイズする手法と言えます。
カスタマイゼーションの有名な事例としては、トヨタの「カスタムオーダーカー」があります。お金が許せば、欲しい車ばかりです。。。
もう一つは、ナイキのカスタムシューズもありますね。こちらは予算的には優しめです。
INNINGS(イニングス)製品におけるカスタマイゼーションとは?
では、弊社製品のINNINGSでは、どのようなカスタマイゼーションが可能かを簡単にご紹介したいと思います。
まずは実績のある量産CPUボードをベースにしてお客様専用CPUボードに仕上げる事が可能です。自社設計・国内製造でいろいろなお客様に標準品としてご採用いただいているCPUボードですが、例えば「シリアルを3ch加えたい」や「FPGAで信号処理を実行したいけど、ボードサイズは、小さいままで」など、すべてのお客様の要望にお応えするには、ちょっと不足することがあります。そんな時には、お客様の必要仕様, 量産予定の数量や開発費のご予算/スケジュールなどをご相談ください。なんでもOKという訳ではありませんが、弊社設計資産を活かしながら最適な提案を行います。もしかしたら、弊社CPUボードに搭載しているB to Bコネクタを活用する事で、CPUボードはそのままで、お客様の要求仕様が満たされるかもしれません。
つぎは、同じように実績のあるCPUボードをベースに提供している小型の組込み向けボックス型パソコンであるEMBOXシリーズのカスタマイゼーションです。一番簡単なのは筐体カラーの変更やお客様ロゴの印字などです。組込み向け製品であってもイメージカラーって大事ですよね。黒いPCだとだいたい旧IBM=現Lenovoさんの製品に見えますよね。こちらも数量的には条件が付いてしまいますが、一番ハードルの低いカスタマイゼーションになります。
次は、一部機能を追加するような変更になります。弊社EMBOXシリーズは、筐体サイズの制限もあって、元々CPUボードに搭載しているインターフェースの全てをPCの外側に出している訳ではありません。なので「USBは2個だけで良いんだけど、シリアルはもう2個欲しい」「VGAは要らないけど、GPIOを出したい」などという要望に、ケーブリングと筐体パネルの設計に若干の変更を行う事で、柔軟に対応することが可能です。これでお客様の「ちょっとだけ足りない」という声にお応えする事ができます。
最後は、完全に新しい専用EMBOXを作るカスタマイゼーションになります。弊社CPUボードはATOM系列とCore系列の大きく2種類のCPUボードに分かれています。この標準CPUボードとお客様の実現したい機能を搭載した専用拡張ボードを用意して、望み通りのPCが実現できます。CPUボードは変更しないので、必要なのは専用の拡張ボードと専用の筐体になります。大きな開発費が必要なCPUボード部分は、弊社の実績あるCPUボードを使用しますので、思った以上にリーズナブルにお客様専用のPCが出来上がるかもしれません。
カスタマイゼーションした製品は、お客様の秘密もあるので、あまり具体的な事例は紹介できませんが、上記カスタマイゼーションに加えて各種規格の取得なども弊社で請け負った実績もありますので、「困ったなぁ」という声をぜひ私たちにお聞かせください。きっと課題解決にお役に立てると思っております。
今回のコラムで紹介しました内容を紹介するブローシャが出来上がりました。
ぜひ下記URLから入手してみてください。きっと文書より分かりやすいと思います。
今回は、カスタマイズとカスタマイゼーションの違いを中心にご紹介させていただきました。
INNINGS製品のカスタマイゼーションサービスは、お客様のご要望にあわせたサービスを提供することによって「お困りごと」を解決することが可能です。
また、既に15万台の販売実績がある自社製CPUボードを使用することにより、開発時間と価格を大幅に低減させることも可能です。
これ以外にもお客様が安心して弊社製品をお使いいただけるような機能やユーティリティソフトなどを提供しておりますので
気になった機能があれば担当営業やお問い合わせページからお気軽にお問い合わせください。
では、次回のコラムもお楽しみに。