INNINGS(イニングス)のこだわり機能について
なかなかネタがなく、久しぶりのコラム記事になってしまいました。
今回は改めて、弊社の「産業用PC」「組込み用CPUボード」であるINNINGS製品の特長的な機能を説明してみたいと思います。
INNINGS製品の2つのコンセプトは「保守費用の低減」「ダウンタイムの最小化」です。
このコンセプトを実現するために以下の要素に拘り、製品化を行っています。
・安全設計
・高信頼性
・長寿命
・小型
・国内製造
・自社設計
こうやって出来上がったINNINGS製品には、もちろん機能面でも上記コンセプトを実現するために用意されている機能があります。
今回はその中から代表的な3つだけを、ご紹介させていただきます。
1. フリーズ対策機能
機器が設置された環境によっては、意図しない電圧低下が発生することがあります。
例えば電源環境があまり整備されていない海外では、まだまだ停電などが頻繁に発生すると聞いたことがあると思います。
日本でも温暖化の影響で急激な天候の変動が発生し、落雷や豪雨による停電などもよく発生していますね。
正常に動作していたCPUボードや産業PCが、意図しない電圧の低下や瞬間的な停電(瞬停)などが発生すると動作異常が発生し
電圧が正常な状態に復帰しても動作異常が継続する場合があります。この現象を「ブラウンアウト」といいます。
こうなってしまうとほぼお手上げで、設置した場所で作業員や保守担当の方が、一旦正常に電源を落とし、再投入するなどの対応が必要になります。
そんな時に活躍するのがINNINGSに搭載されている「フリーズ対策機能」です。中途半端な電圧低下が発生した場合に、電源を一定期間オフにした後に再投入します。
この事によりダウンタイムが最小限になり、人が直接対応することなく、保守費用の低減が実現されることが期待できます。
参考:「ブラウンアウト」 Wikipedia 下の方にコンピュータでの用例があります。
2. USB電源 OFF/ON機能
さまざまな機器を接続して使用されることが増えているUSB。組込み機器では確実性やコネクタの抜け防止がないなどが理由で長年敬遠されてきておりましたが、接続スピードの向上や接続デバイスの種類の豊富さなどから、使用されるケースも多くなってきています。
しかしながら、パソコンを使っている人ならば経験済みの通り、USBのデバイス側が応答しなくなることは、まぁまぁの頻度で経験する事ですよね。
自分もキーボードが動かなくなって抜き差しして復旧を図ることは、年に10回以上はやっているような気がします。
(旧いPS/2キーボードをわざわざUSB変換して使っているせいなのだとは思いますが、こればっかりはやめられない。)
「IBM製 1997年製造 KB-8920」
事務用品としてのパソコンであれば、抜き差しでも全く問題はないのですが、組込み機器で同じような事をやるには、またまた現場に人が行ってUSBを抜き差しするか、機器全体を再起動するか、そもそも人の手を入れる事ができるところにUSB端子が出ていない場合も容易に想像できます。
こんな時にもINNINGSに搭載されている「USB電源 OFF/ON機能」が、大活躍します。もし応答しなくなったUSB機器が発生した場合には、その接続ポートに対してソフトウェアから電源をOFFにしてからONにする機能が、搭載するすべてのUSBポートに対して、それぞれ独立して実行が可能になっています。*
つまり抜き差ししたのと同じような効果が期待でき、ダウンタイムが最小化して保守費用の低減も期待できる便利な機能のひとつです。
*弊社提供のAPIを使用します。
3. PC内部電源 OFF/ON機能
「産業用PC」や「組込み用CPUボード」には、概ねWDTが付いている事が多いですね。
実はINNINGS製品のWDTは「真のWDT」と言っていてPCとは独立して搭載しているマイコンがその機能を提供しています。
通常WDTのタイムアウトが発生した場合にはリセット動作を実行して、システムの復旧を図ります。
しかしリセット動作では初期化できない部分がPCシステムには存在しています。
例えばスタンバイ電源でも動作しているLANチップなどがリセットでは不定な状態から抜けきらず、再起動後のシステムが不安定な状態に陥ったりします。
わたしたちのINNINGS製品は、WDTのタイムアウトが発生した際に内部電源をOFFにしてからONする動作を選択することが可能です。
この動作を行う事でPCやCPUボード全体を初期化する事ができ、システムの再復旧が期待できます。
この機能も、ダウンタイムの最小化/保守費用の低減を目的とした機能になっています。
今回は、INNINGS製品の2つのコンセプトを実現する便利な機能の一部を紹介しました。
これ以外にもお客様が安心して弊社製品をお使いいただけるような機能やユーティリティソフトなどを提供しておりますので
気になった機能があれば担当営業やお問い合わせページからお気軽にお問い合わせください。
では、次回のコラムもお楽しみに。