日本製って
わたしたちのINNINGS製品は、自社設計/国内製造を行っています。
今回のコラムでは「日本製」という言葉や表記について、考察してみます。
皆さんが家電製品や食料品を購入する時は、「made in xxx」や「産地表記」を気にして選択されている方も多いのではないかと思います。
それは購入する製品に対する安心感をどの国で作られたのか、どの地域で作られたのかで担保されると感じているからではないでしょうか?
たまにニュースなどで問題になる産地偽装は、産地を偽ることで商品や製品の価格などを不当に高くすることができるために起こる事件ですね。
このような表記に関連する法律は日本では下記3つがあります。
・景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
・JAS法(農林物資の規格化等に関する法律)
・関税法
景品表示法は食料品や衣料品、家電製品にも関係する法律になっています。
JAS法は、主に食料品やその加工品に関する法律です。
関税法では、輸入通関時の原産地表示が定められており、直接もしくは間接に偽った表示または誤認を生じさせる可能性のある原産地表示がされている外国貨物は輸入できないようになっていますが、輸入した製品を国内で販売する場合は景品表示法によって規定されることになっています。
景品表示法を基に各業界団体が定めているのが「公正競争規約」になります。
この公正競争規約は公正取引委員会および消費者庁長官によって認定されたものとなり令和2年6月24日現在は102件が発行され、
その範囲は食料品から不動産、家電製品までと幅広い領域をカバーしています。
コンピュータなどの機器は家庭電気製品に分類されており、「家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約及び施行規則」に則って、
その表記や考え方などが具体的に規定されています。
しかしながらINNINGS製品のような組込み型コンピュータは、一般消費者が購入する家電製品には含まれず
「家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約及び施行規則」という家電製造業が定めた規約の対象からは外れてしまいます。
つまり産業用PCの場合、国外で製造したものに関しては輸入通関時に関税法によって正しい原産地表示をしていれば輸入することができ、
その後お客様に販売する時には一般消費者向けではないので景品表示法の対象にはならず、どのような表現を行うかは各社のポリシーや
良心に委ねられているような製品となります。
景品表示法に関連し、公正取引委員会の「商品の原産国に関する不当な表示」(昭和48年10月16日公正取引委員会告示第34号)があり、
ここで「その商品の内容について実質的な変更をもたらす行為(実質的変更行為)が行われた国を指す」という告示が示されています。
最近はやりのDXな方がCMをされている一般消費者向けのPCを販売しているメーカもMade In Japanをうたっていますが、
こちらは景品表示法に従ってMade In Japanとしているようです。つまり最終的なPCの形に組み立てる工程だけなのかもしれませんね。
有名な海外PCメーカもMade In Tokyoとしていますが、色々な記事を見ても、同じように組み立てる工程だけのようですね。
わたしたちのINNINGS製品の主要部材はIntel社のCPUをはじめとする海外半導体メーカが
海外工場で製造されたものになっていて、部材は世界から最適なものを採用し、
これを社内の設計部門がCPUボードやBOX型のコンピュータとして設計します。
製造は日本国内にあるEMSメーカの日本の工場で基板製造し、組み立ても同じ日本の工場で実施しています。もちろん製品化するまでに必要な各種機能や信頼性の評価も社内で実行し、
一部、電波試験など社内の設備では実行できないものは、外部機関の施設をお借りしています。
主要部材は全て日本国内の正規代理店から購入をしているので、胸をはって『Made In Japan』と謳える製品です。
上の方に書きましたが産業用PCなどは景品表示法の対象外なので「?」と思うような表記をしているメーカ様も多くいらっしゃるように感じます。
その製品を採用する前に本当はどんなものなのかは、きちんと確認してみても良いと思います。
さて最近は世界中で半導体不足が起きており、弊社も調達に苦労しています。こんな状況になると一部は日本国内の正規代理店からの購入では不足してしまい
海外の代理店や流通在庫などに頼らざるを得ないような事態も発生しています。しかしながら、いつもわたしたちの製品を支えていただいている正規代理店様の
ご協力もいただきながら、何とか綱渡り状態ですが、お客様にご迷惑を掛けないように日々弊社の生産部門は努力しております。
こんな時に聞こえてくるのは、海外メーカや海外で部材を購入していたようなメーカから急に供給が途絶えたという悲鳴です。
わたしたちも同じような事にならないようにサプライチェーンの皆様に感謝し、製品をお届けしたいと思っています。
では、次回のコラムもお楽しみに。
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