新しい組込み市場向けATOMの性能はスゴイ!?
わたしたちINNINGSの新製品群に搭載している組込み向けATOMプロセッサの「Elkhart Lake」 x6000Eシリーズのベンチマークテストを社内で実行したので、
今回はその結果を考察してみたいと思います。
*パスポートサイズの小型組込みPC EMBOX TypeAE1010
まずはATOMプロセッサの歴史をおさらいしてみましょう。
初代ATOMプロセッサが登場したのは2008年です。最初のCPUコアは「Bonnell マイクロアーキテクチャ」でした。
これは当時CPUでは高速化の為に取り入れることが一般的になってきていたOut Of Order(投機実行)を、消費電力を抑えるためにあえて捨て、
In Order(逐次実行)の実行ユニットを採用したx86コア製品でした。
性能はかなり低めでしたが、性能/消費電力に優れた製品でPC向けにはネットブックというジャンルが勃興し、
今まで組込み向けには使えないと言われてきた市場にもx86コアが再進出するきっかけになった製品となりました。
INNINGS製品にもこの初代ATOMプロセッサを採用して製品化した製品がありました。
その後、ATOMプロセッサのアーキテクチャは世代を重ねて、現在は第8世代目の「Gracemont マイクロアーキテクチャ」がPC向けとして
最新の第12世代のCPU「Alder Lakeマイクロプロセッサ」のEコア(高効率コア)に採用されています。
Alder Lakeでは、Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)の組み合わせで非常に優れた性能を実現しているのですが、
いろいろな記事でも取り上げられているように、Eコア(高効率コア)単体でもかなりの性能が出ることがレポートされています。
しかしながら「Gracemont マイクロアーキテクチャ」だけのマイクロプロセッサは本日時点ではリリースがされていません。
わたしたちINNINGS製品が採用する組込み機器向けのサポートがある製品は第7世代目の「Tremont マイクロアーキテクチャ」が採用されている
「Elkhart Lake」製品群になります。第8世代と第7世代の大きな差異は製造プロセスと拡張命令のサポート有無になるので、
CPUコアのアーキテクチャ的には非常に近い製品となっていますので、わたしたちの新製品に採用した「Elkhart Lake」製品群の性能にも期待が高まりますね。
さて以下は、弊社で取得した「Elkhart Lake」 x6000Eシリーズのベンチマークの結果になります。
測定条件
まずは、Crystal Markというベンチマークテストの結果です。
こちらはPass Markというベンチマークテストの結果です。
結果を見てお分かりの通り、Skylake世代のCeleronプロセッサをかなり上回る値を示していることが、ご理解いただけると思います。
しかも「Elkhart Lake」はATOMプロセッサで最新のインテル10nmプロセスで製造されている製品ですので、消費電力は言わずもがなです。
さすがに性能ではXeonプロセッサには遠く及びませんが。
今回の値はあくまでベンチマークテストの結果ですので、お客様のアプリケーションで実際にお試しいただく必要がありますが、とても期待の
持てる製品だというのはご理解いただけたのではないでしょうか?
今回のベンチマークのデモをJapanIT Week 2022の弊社ブースで展示いたします。
弊社では、AX-1020/AE1010の評価用機の貸し出しも行っております。ぜひお気軽にお問合せください。
では、次回のコラムもお楽しみに。
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