【導入事例】宇宙機搭載用電子基板の回路設計
この事例で使用したOrCAD製品
- OrCAD Capture® 製品紹介ページはこちら
OrCAD Captureは世界85カ国以上で利用されている電子回路設計CADツールです。業界で最も多く使われている、簡単で直観的に使える回路設計ソリューションです。収録されている44,000点以上の標準ライブラリに加え、1,500万点以上の充実したライブラリからダウンロードのできるUltra Librarianも活用いただいている航空・宇宙関連事業分野の企業様のOrCAD Captureの導入事例をご紹介いたします。
今回、本記事で使用している製品はこちらです。
宇宙で電子基板を動かすために
宇宙で電子基板を動作させるためには、宇宙特有の環境に電子基板が耐えられる必要があります。最も厳しいのが宇宙放射線環境で、宇宙で動作している半導体電子部品に、放射線が当たることで電子部品が誤動作したり最悪の場合は故障します(Fig.1)。地上環境では大気に守られている為に宇宙放射線が降り注ぐことはほとんど無く「ほぼ」影響はありません。(「ほぼ」と申し上げたのは、確率は小さいものの影響はあるため、長時間完璧に動作しなければいけない機器や高信頼性車載機器などでは対策が必要となります。)
そこで宇宙機搭載用の電子基板を作る際には、非常に特殊な「放射線耐性のある」電子部品を選ぶか、地上で使われる部品の放射線耐性を測定し強い部品を選定することになります。
OrCAD 使用のメリット
弊社では、程度小規模な宇宙用電子基板を多種類開発します。また前述のように宇宙用の電子基板には特殊な電子部品を使用することが多くなります(放射線耐性のある部品の中には、産業用部品の機能互換品もいくつかあり、非常にありがたく使わせていただいています)。過去に使用していた回路図エディタでは部品ライブラリが少なく、回路図の部品ライブラリを自作しており回路図作成に時間がかかっていました。
そこで部品ライブラリの豊富な回路図エディタを使用して開発効率を高くすることを考え、「小規模多品種の開発」「ライブラリの豊富さ」をキーワードに世界的なシェアおよび価格等を考慮して複数社を比較検討し、OrCAD製品を使用することといたしました。OrCADを用いるメリットはOrCAD標準ライブラリだけではなく、「Ultra Librarian」というPCB CAD Libraryのラインアップもかなり豊富なところです。下記にURLを載せていますので興味のある方はご参照ください。弊社では回路図編集のためにOrCAD Captureを頻繁に利用しています。(Fig.2)
https://www.ultralibrarian.com
今後
現在弊社では、OrCAD Captureによる回路設計を社内で実施した後、アートワークは基本外注しています。そのアートワークを依頼している外注先は「Allegro PCB」にてアートワークを行っております。全体の流れは特に問題を感じていませんが、開発の後のフェーズで微修正が生じた際、その都度外注に見積・発注を行うのは効率が悪いため、弊社にてアートワークの微修正もできるようハイエンドPCB設計CADのAllegro PCBと完全互換出来る「OrCAD PCB Designer」 の導入もいたしました。今度PCB Designer導入によって開発効率がどれくらい向上するのか楽しみです。
現在の回路図エディタはWindowsでしか動作しないものがほとんどです。弊社ではMac OSユーザーも多数いるため、OrCAD製品がMac OSにも対応できるようになると非常にありがたいのですが、これは将来の楽しみにとっておきましょう。
航空・宇宙関連企業(企業名:非公開)についてABOUT Aerospace related companies
企業名 | 航空・宇宙関連企業(企業名:非公開) |
---|---|
設 立 | 非公開 |
主な事業内容 | 航空・宇宙関連事業 |
従業員数 | 非公開 |
本社所在地 | 非公開 |
この事例のPDF版は、
下記からダウンロードいただけます