【導入事例】アナログ回路設計者必見!!
知って得する電源ICの
PSPICEモデル活用事例
~負荷過渡応答~
この事例で使用したOrCAD製品
- OrCAD® PSpiceDesigner/Plus 製品紹介ページはこちら
OrCAD PSpiceを用いることで、DC/DCコンバータの様々な特性をパソコン上で事前に確認する事ができます。
今回はPSpiceの過渡解析を用いた「DC/DCコンバータの負荷過渡応答の確認」についてご紹介します。
今回、本記事で使用している製品はこちらです。
負荷過渡応答
負荷過渡応答とは、出力の負荷電流が急峻に変動した場合に生じる出力電圧変動です。
出力電圧のオーバーシュートによる後段の破壊やアンダーシュートによるリセット回路の誤検出が考えられます。
よってアプリケーションの仕様に合うかどうかの事前把握及び、仕様に合わない場合は外付け定数の変更や後段デバイスの負荷条件の再検討が電源設計では必要になります。
シミュレーション設定
今回のシミュレーションでは過渡解析とパラメトリック解析を用います。
パラメトリック解析では、ユーザーが任意に設定したパラメータの値を変化させながら、繰り返しシミュレーションが実行されます。
結果は一つのグラフ上に重ねて表示されるので、容易に比較検討ができます。
ここでは、DC/DCコンバータの負荷電流が1.6 ms後に、0A→2A に急変した場合について見てみます。
出力のコンデンサの値を変えてみる
Fig 1. の回路図で、出力のコンデンサ:COUT1の値(COUT) を44uF, 220uF, 470uFに変更してシミュレーションを行います。
COUTの値を変えることにより出力電圧の変動量が変わることが確認できました。
立ち上がり/立ち下がり時間を変えてみる
次は、Fig 1. の回路図で負荷電流の立ち上がり/立ち下がり時間を変化させてシミュレーションを行ってみましょう。 負荷電流として指定している、電流源:IOUTのTR/TF(TrTf)を10usec, 50usec, 100usecに変更してシミュレーションを行います。
立ち上がり/立ち下り時間(TrTf)を変えることでも、出力電圧の変動量が変わることが確認できました。
このように、アプリケーション上で想定される負荷変動を設定する事で、シミュレーションによる事前検討が可能です。
なお、OrCAD PSpiceでは、前回のシミュレーション結果のグラフフォーマットを記憶しておくことができるため、シミュレーションの度に波形の目盛りを修正したりする手間がなく、条件の比較検討を行う際はとても便利です。
まとめ
このように電源ICのSPICEモデルを用いる事でDC/DCの外付け部品や条件による応答性の違いを確認する事が出来ます。
今回ケース・ワークで用いた電源ICはBD9S400MUFというFET内蔵型DC/DCコンバータICになります。
SPICEモデルはこちらよりダウンロードできます。
ローム株式会社についてABOUT ROHM
企業名 | ローム株式会社 |
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設 立 | 1958(昭和33)年9月17日 |
主な事業内容 | 半導体・電子部品の製造 |
従業員数 | 連結23,120人(2018年3月31日時点) |
本社所在地 | 京都市右京区西院溝崎町21 |
ローム株式会社は、抵抗器からディスクリート製品、LSI、モジュールに至るまで幅広いラインアップを揃えている総合半導体メーカーです。
PSPICEモデルに関しては、オペアンプ、トランジスタ、ダイオード、SiCパワーデバイスなどを含む、5,000以上のモデルを提供しております。
ローム株式会社が提供するSPICEモデルや、各種技術情報は下記サイトよりアクセスできます。(※外部サイトへのリンクとなります。)
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