当期の経営環境や業績について
2023年度(2024年3月期)の日本経済は、雇用や所得環境の改善が進むなか、個人消費や設備投資を中心に緩やかに回復したものの、円安の進行や物価上昇の影響が懸念されるほか、ウクライナや中東情勢、米中摩擦など地政学的リスクの高まり、中国経済の減速や欧米での景気後退懸念など、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
こうしたなか、イノテックグループの当期の業績は、半導体設計関連事業が前期実績に及ばず、テストソリューション事業も好転しませんでしたが、システム・サービス事業は概ね好調に推移しました。
これらの結果、売上高413億58百万円(前期比7.1%増)、営業利益24億74百万円(同6.7%増)、経常利益28億80百万円(同16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億77百万円(同11.3%減)となりました。
2024年度の業績見込みについて
2024年度(2025年3月期)は、賃上げ等による所得環境の改善や設備投資の増加などにより経済の緩やかな回復が見込まれます。一方、人件費の上昇や資源価格の高止まり、政府の物価対策の終了等が景気に与える影響が懸念されるなど、依然として予断を許さない状況が予想されます。
当社グループにおいては、テストソリューション事業のメモリー向けテスターの需要回復には未だ時間を要するものの、システム・サービス事業では引き続き自動車や社会インフラ向けの旺盛な需要に応えるほか、半導体設計関連事業において新規分野の顧客開拓に取り組み、売上拡大を目指します。さらに、新たにスタートした中期経営計画のもと、収益性と成長性の向上に向けて尽力いたします。
株主の皆様には、引き続き変わらぬご支援とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
2024年6月
代表取締役 社長執行役員大塚 信行